「活性炭って実はすごいんです」
~日々の暮らしからエネルギー分野まで~佐野 桂一
炭素材料事業部 海外営業部 CMS課
活性炭は、原料となるヤシ殻や瀝青炭、木材などを高温でガスや薬品と反応させて作られます。その製造工程でできるナノメートル単位の微細孔によって、気体や液体に含まれる特定の物質を選択的に分離、除去、精製する機能が発揮されます。
細孔は活性炭内部に網目状に構成され、その広い表面積(活性炭1 gあたり500~2500㎡もあります!)によって多くの物質を吸着することができます。この細孔を生成させる工程は“賦活”と呼ばれ、文字通り細孔により“活性”を付与された炭を“活性炭”と言います。クラレグループは高い製造技術で細孔をコントロールし、さまざまな物質を吸着できる活性炭を製造しています。
活性炭が活用される分野は、浄水場や排水処理、家庭用浄水器、食品・飲料精製などの水処理関連、工場やごみ焼却場の排ガス処理や空気清浄器などの空気処理関連です。さらには、エネルギー関連分野として、キャパシタなどの電材用途、加えて化学や食品業界などで使用される窒素ガス分離装置でも活性炭は活躍しています。
クラレグループは1965年に活性炭の製造・販売を開始しました。そして、2018年3月に活性炭世界最大手メーカーのカルゴン・カーボン社と一緒になって、世界最大の活性炭メーカーになりました。互いの強みを生かして、活性炭の新たな価値を生みだしていきたいと考えています。